ごあいさつ

濱田貞夫  一般社団法人東京都日本調理技能士会は、昭和63年6月故小倉久米雄氏の尽力で発足し平成25年に法人化いたしました。東京都を拠点とし日本料理を通じて、地産地消・食育・技能の伝承・世界への普及など「食」に関わる様々な事業を展開する技能士集団として活動しています。 東京都職業能力開発協会および東京都技能士会連合会に所属し、行政・関連団体と共に未来の日本料理調理技能士を育てていく一翼を担っております。
 現在、食を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。食料不足や飢餓、食料生産が引き起こす環境問題、食糧価格の高騰、食料廃棄、気候変動の影響、政策と国際協力、タンパク質クライシス、そして労働力不足など、課題は多岐にわたります。一方で、世界にある日本料理店は18万軒を超え、日本食材の総輸出額は1兆円を大きく上回るなど、日本料理の海外進出は目覚ましいものがあります。しかしながら、今の日本の食料自給率はカロリーベースで38%、生産額ベースで63%にとどまり、日本料理の海外進出も「らしさ」や質、文化性の観点から見ると、必ずしも誇れる状況にあるとは言えません。さらに、日本料理が世界的に人気を博している一方で、日本国内では子供たちにとってその魅力が薄れているのか、給食での残飯量が増加しています。だからこそ料理人やその他の食に関わる関係者は、これらの課題を深く認識し、互いの知恵を結集させる必要があります。
 私は、多くの方々に支持される解決策を考え、それを実行に移すことが、次世代への技術継承につながり、これこそが、料理人(職人)の使命であると信じています。
 今後は、業界の人材育成や食育活動、一次産業への関わり、被災支援を含む社会貢献活動を推進し、日本料理だけでなく日本の食文化や他国の料理の素晴らしさをアピールし「日本のバランスの取れた食生活」を実現していきたいと思っております。役員一同、これらの目標に向けて邁進していく所存でございます。これからも「一般社団法人東京都日本調理技能士会」の活動にご支援、ご協力をお願い申し上げます。

令和5年7月吉日

一般社団法人東京都日本調理技能士会
会長 齋藤 章雄

当法人の目的

当法人は、職業能力開発促進法に基づく日本調理技能士の資質及び技能の発展を図ることにより、我が国の誇るべき伝統文化の一つである日本料理の伝承及び発展に寄与するとともに、国民の食文化の一層の発展と外食産業等の発展及び振興に寄与することを目的とし、その目的に資するため、関係行政機関及び全国日本調理技能士会連合会など関係諸団体と連携し、次の事業を行います。

  • 1. 日本調理技能士の育成並びに資質及び調理技能の発展に関する事業
  • 2. 調理技能に関する資料収集及び調査研究並びに知識の普及に関する事業
  • 3. 日本料理文化の伝承及び発展に関する事業
  • 4. 国民の食文化の発展、推進等に関する事業
  • 5. 日本調理技能士の社会的地位の向上、福利の向上、並びに会員間の連絡及び連携に関する事業
  • 6. 定期刊行物その他出版物の発行に関する事業
  • 7. 前各号に掲げるもののほか、当法人の目的達成に必要な事業